準備した質問リストが、入社後の運命を変える
「なぜ、あのとき何も聞けなかったんだろう」
フィリピン・マニラ出身のリサさん(24歳)は、入社4ヶ月目のある夜、布団の中でそう思い続けました。涙が止まりませんでした。
面接を受けたのは2024年1月でした。神奈川の食品工場。友人の紹介で「待遇がいい」と言われた職場でした。採用担当者の男性は最初からとても親切でした。「グローバルな人材が欲しいんです」「外国人スタッフが多いから、言語サポートもしっかりしてますよ」。にこやかな笑顔。きれいなオフィス。準備された椅子とお茶。
リサさんは、質問をしたかったのに、できませんでした。
「給与明細の詳細を確認したいんですが」と口に出そうとした瞬間、「あ、それは入社後にしっかり説明しますね」と先に言われました。「みなし残業について教えてください」と思っていたのに、話の流れが速くて切り出すタイミングが見つかりませんでした。
面接というのは、採用される側が一方的に緊張する場所です。相手はプロで、こちらは素人です。日本語での交渉に慣れていなければ、「確認したいのですが」の一言がどれほど難しいか——日本で面接を経験した人なら分かるはずです。
結局その日、リサさんはOKサインを出しました。「月給22万円・残業少なめ・ビザサポートあり」。求人票の文字が頭にありました。
入社して最初の給与明細が届いた日、実態が分かりました。基本給は172,000円。残りの48,000円は「みなし残業代(40時間分)」として含まれていました。実際には毎月50〜60時間の残業がありましたが、40時間分は「既払い」として追加給付はゼロでした。「ビザサポート」については、人事担当者に確認すると「更新の時期になったら一緒に考えましょう」とだけ言われました。
翌年のビザ更新で、業務内容が在留資格の要件と合っていない可能性があると指摘されました。在留資格変更申請が必要になり、費用は自己負担でした。
4ヶ月で、全部が変わっていました。
5つの質問を面接でしていれば——リサさんはそう言います。ただし「聞けばよかった」だけでは対策になりません。面接前に「質問リスト」を紙に書いて持参し、「確認させてください」と前置きして聞く。この一つの準備が、入社後の運命を変えます。
面接は、企業があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが企業を選ぶ場でもあります。以下の5つの質問を、次の面接で必ず使ってみてください。