3つの働き方の本質的な差を知っておく
「会社に便利に使われているだけなんだろうか」
ミャンマー・ヤンゴン出身のマーさん(27歳)が、そう思うようになったのは、働き始めて3ヶ月が経った頃でした。
毎朝、電車で45分かけて通う工場の入り口には「A株式会社」と書かれています。でも給与明細に書かれているのは「B派遣スタッフ株式会社」という別の会社名です。保険証の上部にも「B派遣スタッフ」と印刷されています。
ある日、工場のラインで機械トラブルが起きました。A社の上司に相談に行くと「それはB社(派遣会社)に言って」と言われました。B社の担当者に電話すると「現場のことはA社に確認してください」と言われました。誰も責任をとってくれませんでした。
有給休暇を申請しようとしたとき、派遣会社の担当者から「今回の契約期間(3ヶ月)は有給の付与期間に満たないので」と言われました。次の3ヶ月更新のときには「また確認します」と言われ、また3ヶ月が過ぎました。
翌年3月、契約更新の連絡が来なくなりました。担当者からのメッセージには「今期は業務量が減少したため、残念ながら更新はできません」とだけ書いてありました。理由も、事前の連絡も、ありませんでした。
マーさんは「都合よく使われて、用が済んだら終わり」という感覚が、今でも消えないと言います。派遣という働き方を選んでいたつもりが、気づいたら「誰でもない場所にいる人間」として扱われていました。
派遣・直接雇用・業務委託——3つの働き方は、名前が違うだけではありません。雇用の安定性、社会保険の扱い、ビザの継続、有給の付与、すべてが根本的に違います。選択肢を正しく理解してから、仕事を選びましょう。