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🤝 職場の「謎」

残業は断れる? — 36協定・上限・断り方のすべて

「みんなやってるから」に、法律はこう答えます

📖 8分で読める📅 2026-08-24
残業は断れる? — 36協定・上限・断り方のすべて

「定時で帰りたいなんて、やる気がない証拠だぞ」と言われて、何も言い返せませんでした。

フィリピン・セブ出身のジョイさん(26歳)は、物流会社で働き始めて半年。毎日2〜3時間の残業が当たり前になっていました。体は疲れ切っていましたが、断る勇気が出ませんでした。

ある日、母国の家族との大切なビデオ通話のために定時で帰ろうとしたとき、上司にそう言われたのです。周りの先輩たちも、誰も定時で帰っていませんでした。「日本ではこれが普通なのかもしれない」——ジョイさんは、自分が間違っているような気がしてきました。

でも、本当にそうでしょうか。

日本の法律では、残業には厳格なルールがあります。会社は、社員に無制限に残業させることはできません。残業させるには「36協定(さぶろくきょうてい)」という労使の約束が必要で、その時間にも上限があります。そして、上限を超える残業や、ルールを破った残業命令は、断ることができます。

ジョイさんは、このルールを知ってから変わりました。上司に正しく伝え、残業を減らし、体調も戻りました。「我慢が美徳だと思っていた。でも、知識が自分を守ってくれた」と話してくれました。

「残業は断れるのか」——その答えを、FAQ形式で正確にお伝えします。

残業(時間外労働)には、労働基準法で決められたルールがあります。「断れる残業」と「原則断れない残業」の境界を、順番に理解しておきましょう。

よくある質問
Q.
そもそも、会社は自由に残業させられるのですか?
A.
いいえ。労働基準法では、労働時間は原則「1日8時間・週40時間」までと決められています。これを超えて残業させるには、会社と労働者(代表)が「36協定」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。**この36協定がないのに法定時間を超えて残業させるのは、それ自体が法律違反**です。「うちの会社、36協定あるのかな?」と疑問に思ったら、就業規則や労使協定を確認できます。
Q.
36協定があれば、何時間でも残業させられるのですか?
A.
いいえ、上限があります。2019年(中小企業は2020年)から、残業時間には法律で上限が定められました。原則は**月45時間・年360時間**まで。繁忙期のための「特別条項」を結んでも、(1)年720時間以内、(2)休日労働を含めて複数月平均80時間以内、(3)休日労働を含めて単月100時間未満、(4)月45時間を超えてよいのは年6回まで——という絶対的な上限があります。これを超える残業命令は違法で、断ることができます。
Q.
残業代はちゃんと払われるはずですよね?
A.
はい。残業には割増賃金が必要です。**法定時間を超える残業は25%以上の割増**、月60時間を超える部分は50%以上(中小企業も2023年4月から対象)、深夜(22時〜翌5時)は25%以上、法定休日の労働は35%以上の割増です。これらは重なると合算されます(例: 深夜の残業は25%+25%=50%以上)。「固定残業代(みなし残業)」がある会社でも、決められた固定時間を超えた分は、別途追加で払われなければなりません。
Q.
結局、残業は断れるのですか?断れないのですか?
A.
整理します。【断れる残業】①36協定がないのに命じられる法定時間外の残業、②36協定の上限を超える残業、③健康を害するほどの残業。これらは違法なので断れます。【原則は断りにくい残業】36協定があり、就業規則に残業の定めがあり、上限の範囲内で、業務上の必要がある残業命令は、判例上、正当な理由なく拒否するのは難しいとされています。ただし「正当な理由」には、体調不良・育児や介護の事情などが含まれます。「毎日は無理」ではなく「今日は◯◯のため難しい」と具体的に伝えるのがコツです。
Q.
「サービス残業」をさせられています。これは違法ですか?
A.
はい、賃金が支払われない残業(サービス残業)は違法です。大切なのは、自分の労働時間の「証拠」を残すことです。タイムカードのコピー、パソコンのログイン・ログオフ記録、業務メールの送信時刻、自分でつけた勤務メモ(手書きでも有効)などが証拠になります。未払い残業代は、後から請求できます(時効は原則3年)。証拠があるほど、請求も相談もスムーズに進みます。
Q.
残業のことで相談したいです。会社にバレませんか?
A.
労働基準監督署や、各都道府県の総合労働相談コーナーに、無料・匿名で相談できます。相談したことが会社に伝わることはありません。外国人向けには、厚生労働省の多言語対応の相談ダイヤルもあります。「自分一人だけが我慢している」と思い込まないでください。残業のルールは、日本人も外国人も同じように守られる権利です。体や心を壊す前に、まず相談してください。
🤝 相談先リスト(無料・多言語・匿名OK)
労働条件相談ほっとライン(厚生労働省)
残業・賃金・労働時間の悩みを、無料・匿名で相談できます。夜間・土日も対応。外国語対応の日もあります。
🌐 日本語ほか曜日により多言語対応 ⏰ 平日17:00〜22:00・土日9:00〜21:00
📝 ウェブで相談する
📞 0120-811-610
総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)
時間外労働・サービス残業など労働問題の公的窓口。ハローワークや労働局内にあります。
🌐 14言語対応(電話通訳あり) ⏰ 平日 9:00〜17:00
📝 ウェブで相談する
📞 各都道府県労働局

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