📑 在留資格・法律
永住許可への道のり — 年数・年収・税金の本当のところ
「いつか永住を」と思うなら、今日から準備できることがあります
📖 9分で読める📅 2026-08-13
「10年も真面目に働いたのに、永住が不許可になった」——その理由は、3年前の年金の未納でした。
中国・瀋陽出身のリーさん(38歳)は、日本で12年働いてきました。技術職として真面目に勤め、税金も払い、家族を養ってきました。「もう十分だろう」と、永住許可を申請しました。
しかし、結果は不許可でした。
理由を調べると、転職して一時的に収入が不安定だった時期に、国民年金を数ヶ月分、納め忘れていたのです。本人は「もう時効だろう」と思っていました。でも、永住審査では年金や健康保険の納付状況がしっかり見られます。たった数ヶ月の未納が、12年の積み重ねを止めてしまいました。
リーさんは未納分を納め、納付状況を整えて、2年後に再申請して許可されました。「知っていれば、最初から完璧にしておいたのに」と話してくれました。
永住許可は、「長く住めば自動的にもらえる」ものではありません。年数・収入・納税・素行——いくつもの条件を、申請の何年も前から満たしておく必要があります。逆に言えば、早くから知っていれば、着実に準備できます。
永住を考えるあなたのために、本当のところをFAQ形式でまとめました(出入国在留管理庁の最新ガイドラインにもとづきます)。
永住許可には、法律上の要件(素行が善良・生計が安定)に加え、「国益に合う」と認められる必要があります。その中身を、年数・お金・納付・注意点に分けて見ていきましょう。
❓ よくある質問
A.原則として「引き続き10年以上」日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で5年以上在留していることが必要です。注意点が2つあります。①「引き続き」なので、長期間の出国などで在留が途切れるとカウントがリセットされます(出国日数の明確な基準はガイドラインにはなく運用判断ですが、長期・頻繁な出国は不利です)。②技能実習と特定技能1号での在留期間は、この「5年」にカウントされません。これらから特定技能2号や技人国などに移行した後の期間が積算されます。
Q.10年も待たずに永住申請できるケースはありますか?
A.あります。代表例:①日本人・永住者の配偶者は、実体のある婚姻が3年以上続き、かつ引き続き1年以上在留していれば申請可。②定住者の在留資格で引き続き5年以上。③高度専門職(高度人材ポイント制)で70点以上なら3年、80点以上なら1年の在留で申請可。④難民認定を受けた人は認定後5年以上。自分が特例に当たるか、入管や行政書士に確認すると、思ったより早く道が開けることがあります。
A.法律上「年収◯万円以上」という明確な金額基準は公表されていません。見られるのは「独立して生計を営めるか」「将来も安定した生活が見込まれるか」です。目安として、世帯(扶養家族を含む)を養えるだけの安定収入があり、直近数年それが続いていることが重要です。年収が高くても不安定(転職を繰り返す・無職期間が長い)だと評価が下がり、年収が中程度でも安定していれば評価されます。扶養家族が多い場合は、それを支えられる収入が見られます。
Q.【最重要】税金や年金の未納があると、本当にダメなのですか?
A.はい、これが永住審査で最もつまずきやすいポイントです。永住では「納税・公的年金・公的医療保険(健康保険)の保険料を、適正に納めていること」が求められます。2019年のガイドライン改正で、年金・健康保険の納付状況が明確に審査対象になりました。提出書類で直近2年分の納付状況が見られ、**「期限内に納めているか」**まで確認されます。1回でも「期限後に納付」があると、マイナス評価になり得ます。リーさんのように、過去の数ヶ月の未納・遅納が原因で不許可になる例は珍しくありません。給与天引きでない国民年金・国民健康保険の時期は、特に注意してください。
Q.身元保証人や、持っている在留期間の条件はありますか?
A.①申請には、日本に住む日本人または永住者の「身元保証人」が必要です(提出書類のひとつ)。保証人に法的な賠償責任はありませんが、引き受けてくれる人を見つけておく必要があります。②現在持っている在留資格が「最長の在留期間」であることも条件です。多くの就労資格では最長5年ですが、当面(2027年3月末まで)は在留期間「3年」を持っていれば「最長」とみなす運用になっています。次回の更新で、より長い在留期間が取れるよう準備しておくとよいでしょう。
Q.永住をとった後も、取り消されることはありますか?
A.原則として永住者は安定した地位ですが、注意すべき法改正があります。2024年に成立・公布された改正入管法で、永住者の在留資格の「取消し事由」が追加されました。**税金や社会保険料を「故意に」納めない場合**などが対象です(2027年4月に施行される予定)。ここで言う「故意」とは、支払う能力があるのに、わざと払わないことを指します。病気や失業などやむを得ない事情で払えない場合は対象外です。また、取消しになっても直ちに国外退去ではなく、多くは「定住者」など別の在留資格への変更が認められる運用です。永住後も、税・社会保険はきちんと納め続けることが大切です。
A.永住許可の手数料は、許可されるときに10,000円(収入印紙)です(2025年4月に8,000円から改定されました)。準備のコツは「逆算」です。永住を考えているなら、申請の少なくとも2〜3年前から、①税金・年金・健康保険を必ず期限内に納める、②転職や収入の空白を作りすぎない、③交通違反などの素行に気をつける、④在留期間をできるだけ長く更新する、を意識してください。永住は「申請直前の数ヶ月」ではなく「数年の積み重ね」で決まります。
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外国人在留支援センター FRESC(法務省)
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