💗 QOL・メンタル
日本での妊娠・出産 — 外国人も使える制度のすべて
産休も育休も、給付金も。あなたと赤ちゃんを支える仕組み
📖 9分で読める📅 2026-10-01
日本で妊娠がわかったとき、うれしさより不安が大きかった。「外国人の私が、ここで産んで育てられるのだろうか」
フィリピン・ダバオ出身のアイリーンさん(29歳)は、日本で働きながら結婚し、妊娠しました。本来なら喜びでいっぱいのはずなのに、頭をよぎるのは不安ばかりでした。
日本語で病院とやりとりできるだろうか。出産にいくらかかるのだろう。仕事は辞めなければいけないのか。母国の母に手伝ってもらうこともできない。——わからないことが多すぎて、夜になると一人で泣くこともありました。
ある日、会社の先輩がこう教えてくれました。「アイリーン、日本には妊娠・出産を支える制度がたくさんあるよ。産休も育休も、外国人も同じように使える。出産のお金も、ほとんど保険でカバーされるんだよ。一緒に調べよう。」
アイリーンさんは知りませんでした。日本で働く外国人も、日本人と同じように、妊娠・出産・子育てを支える制度を使えることを。母子健康手帳から、産休・育休、出産育児一時金、児童手当まで——使える仕組みが、たくさんあることを。
日本での妊娠・出産。あなたと赤ちゃんを支える制度を、FAQ形式でまとめました(2026年6月時点の情報です)。
日本の妊娠・出産・子育ての制度は、外国人労働者にも同じように適用されます。「妊娠がわかったら」「出産のお金」「仕事と休み」「生まれた後」の順に、使える制度を見ていきましょう。
❓ よくある質問
A.お住まいの市区町村の窓口に「妊娠届」を出してください。すると「母子健康手帳」がもらえます。これは妊娠中の健診や赤ちゃんの成長を記録する大切な手帳で、外国人も同じように受け取れます。母子健康手帳には英語・中国語・ベトナム語・ネパール語・タガログ語など10言語の版があり、日本語と併記されています。同時に、妊婦健診の費用を助成する「受診票(補助券)」ももらえます。まずはこの届出から始めましょう。
Q.出産にはいくらかかりますか?保険は使えますか?
A.出産費用の大きな助けになるのが「出産育児一時金」です。健康保険から、赤ちゃん1人につき原則50万円が支給されます(2023年4月から。産科医療補償制度の対象となる出産の場合)。多くは「直接支払制度」で病院に直接支払われるので、まとまったお金を事前に用意しなくても大丈夫です。外国人も、健康保険の加入者(またはその扶養家族)なら対象です。出産費用が50万円以内なら、自己負担はほとんどありません。
A.はい、「産前産後休業(産休)」が法律で認められています(労働基準法)。産前は6週間(双子など多胎の場合は14週間)、産後は8週間休めます。特に産後6週間は、必ず休む決まりです(強制休業)。これは外国人労働者にも同じように適用されます。「妊娠したから」という理由で解雇したり、不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。安心して制度を使ってください。
A.給与が出ない間も、給付金で収入が支えられます。①産休中:健康保険から「出産手当金」(給与の3分の2相当)。②育休中:雇用保険から「育児休業給付金」(休業開始から180日目までは賃金の67%、その後は50%)。さらに2025年4月からは、子の出生後8週間以内に夫婦ともに14日以上の育休を取ると、最大28日間13%が上乗せされ、合計80%(社会保険料免除と合わせて手取り実質10割相当)になる新制度も始まりました。これらも外国人が対象です。
A.取れます。育児・介護休業法により、原則として子が1歳になるまで(保育所に入れないなどの事情があれば最長2歳まで)育休を取れます。国籍は関係ありません。注意点として、育休そのものは雇用保険に入っていなくても取れますが、「育児休業給付金」をもらうには雇用保険への加入などの条件があります。また、契約社員など有期雇用の場合は追加の条件があるので、勤務先や会社の人事に確認してください。
A.あります。代表的なのが「児童手当」です。2024年10月から制度が拡充され、所得制限がなくなり、高校生年代まで支給されるようになりました。金額は3歳未満が月15,000円、3歳から高校生年代が月10,000円、第3子以降は月30,000円です。外国人も、日本に住所があれば対象です(支給の対象になるのは日本国内に住む子です)。お住まいの市区町村で申請してください。
Q.日本で生まれた赤ちゃんの在留資格は、どうなりますか?
A.日本で生まれた外国人の赤ちゃんは、「在留資格の取得」という手続きが必要です。生まれた日から30日以内に、住んでいる地域を管轄する出入国在留管理庁に申請してください。多くは親と同じか「家族滞在」などの在留資格になります。なお、生後60日以内に日本を出国する場合は、この手続きは不要です。出産前後は忙しくなるので、出生届(市区町村へ14日以内)とあわせて、早めに準備しておきましょう。
🤝 相談先リスト(無料・多言語・匿名OK)
お住まいの市区町村 子育て・母子保健窓口
妊娠届・母子健康手帳・妊婦健診の助成・児童手当の申請ができます。多言語の母子手帳や通訳に対応する自治体もあります。
🌐 自治体により多言語対応(母子手帳は10言語) ⏰ 平日(自治体により異なる)
📝 ウェブで相談する →総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)
妊娠を理由とする解雇・不利益取扱い、産休・育休が取れないなどの労働トラブルを相談できます。
🌐 14言語対応(電話通訳あり) ⏰ 平日 9:00〜17:00
📝 ウェブで相談する →📞 各都道府県労働局