グロジョブ
🔎 失敗しない仕事選び

退職の正しい手順 — 揉めずに、損せずに辞める

「辞めさせない」は通用しません。法律はあなたの側にあります

📖 8分で読める📅 2026-07-23
退職の正しい手順 — 揉めずに、損せずに辞める

「人手不足なのに辞めるの?ビザがどうなっても知らないよ。」

インドネシア・スラバヤ出身のアグスさん(27歳)が退職を切り出したとき、工場長から返ってきた言葉です。

アグスさんは群馬の食品工場で3年働き、より条件のいい同業他社から内定をもらっていました。円満に辞めるつもりで、2ヶ月前に伝えました。それなのに、返ってきたのは引き止めではなく、脅しに近い言葉でした。

「代わりが見つかるまで辞められない」「今辞めたら損害賠償ものだよ」——そう言われて、アグスさんは怖くなりました。本当にビザに影響するのか。本当にお金を請求されるのか。夜、何度もスマホで検索しました。

結論から言うと、どれも法律上の根拠がない言葉でした。

日本の法律では、期間の定めのない雇用契約は、2週間前に申し出れば退職できます(民法627条)。会社に「辞めさせない権利」はありません。あらかじめ違約金や賠償額を決めておく契約は法律で禁止されており(労働基準法第16条)、正しい手順で辞める限り、退職しただけで損害賠償を求められることは通常ありません。そして、転職しても正しい手続きを踏めば、在留資格は守られます。

アグスさんは手順どおりに進め、予定どおり退職し、新しい職場で働いています。あの言葉は何だったのか——「知らないと思って言っているだけ」でした。

辞めると決めたら、感情ではなく手順で動きましょう。以下のチェックリストで、揉めずに・損せずに退職する方法を確認してください。

退職は労働者の権利です。ただし、権利だからこそ「正しい手順」で進めることが、トラブル防止と次の在留資格更新の両方で重要になります。上から順番に確認してください。

01.退職の意思は1〜2ヶ月前に、直属の上司へ伝える
法律上は2週間前の申し出で退職できます(民法627条・期間の定めのない契約の場合)。ただし、多くの会社の就業規則は「1ヶ月前まで」と定めており、引き継ぎやシフト調整を考えると**1〜2ヶ月前に伝えるのが円満退職の目安**です。最初に伝える相手は直属の上司。同僚に先に話すと、噂で伝わってこじれる原因になります。
02.「辞めさせない」「損害賠償だ」と言われても、退職は権利
会社に退職を拒否する権利はありません。「違約金を払え」「研修費を返せ」とあらかじめ決めておくことは労働基準法第16条で禁止されています。また、強制的に働かせ続けることは同法第5条(強制労働の禁止)に違反します。「ビザがどうなっても知らない」という言葉にも根拠はありません——在留資格はあなたと入管の間の手続きであり、会社が取り消すことはできません。脅しを受けたら、日時と発言内容を記録してください。
03.退職届を書面で提出する(口頭だけにしない)
口頭で伝えるだけだと「聞いていない」と言われるリスクがあります。「退職届」(退職日を明記・自分の署名入り)を提出し、**コピーを必ず手元に残してください**。受け取りを拒否された場合は、内容証明郵便で会社に送る方法があります。これで「いつ退職を申し出たか」の証拠が法的に残ります。
04.残っている有給休暇を消化する
退職日までの間に、残っている有給休暇を取得する権利があります。退職前の有給申請を会社が拒否するのは法的に困難です(時季変更権は「退職日までの期間内」でしか使えないため)。最終出勤日と退職日を分けて、間を有給消化にあてるのが一般的です。詳しい取り方は有給休暇の記事で解説しています。
05.返すもの・もらうものをリストで確認する
**返すもの**:健康保険証・社員証・制服・会社の備品・寮の鍵など。**もらうもの**:①離職票(失業保険の手続きに必要・退職後10日前後で郵送)、②源泉徴収票(次の会社の年末調整や確定申告に必要)、③雇用保険被保険者証、④年金手帳(会社に預けている場合)。離職票と源泉徴収票は「送ってください」と退職前に明確に依頼しておきましょう。
06.退職後14日以内に、入管へ届出を出す
就労系の在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能など)で働いている人は、退職した日から**14日以内**に出入国在留管理庁へ「所属(契約)機関に関する届出」を提出する義務があります(入管法第19条の16)。オンライン(電子届出システム)または郵送・窓口で手続きできます。新しい会社に入社したときも同様に14日以内の届出が必要です。この届出を忘れると、次の在留期間更新で不利になることがあります。
07.次の仕事までの「空白期間」に注意する
就労系の在留資格では、正当な理由なく3ヶ月以上働いていない状態が続くと、在留資格取消しの対象になり得ます(入管法第22条の4)。転職先を決めてから退職するのが最も安全です。また、退職すると会社の健康保険・厚生年金から外れるため、次の入社まで間が空く場合は、市役所で国民健康保険・国民年金への切り替え手続きをしてください(退職後14日以内が原則)。
アグスさんは退職届のコピーと工場長の発言メモを残し、淡々と手続きを進めました。最終的に会社側も認め、有給を消化して退職。入管への届出もオンラインで済ませ、新しい職場での在留期間更新は問題なく許可されました。「怖かったけど、手順を知っていたから動けた」と話してくれました。退職トラブルで困ったら、労働基準監督署または下のFRESCに相談してください(無料・匿名可)。

💬 この記事のこと、AIに相談できます

自分の場合はどうなる?を母語で聞けます。無料・登録不要。

AIに相談する

🔍 お仕事探しも、グロジョブで

外国人が働ける求人を多数掲載。母国語で探せます。無料登録で応募・お気に入り保存・応募メールの自動作成も。