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退職・帰国するときの住民税 — 「後払い」の落とし穴
働いていないのに請求が来る。帰国前にやるべき手続き
📖 8分で読める📅 2026-09-24
帰国して半年後、母国の自分に日本から「住民税の督促状」が届きました。「もう日本にいないのに、なぜ?」
ベトナム・ハノイ出身のクアンさん(28歳)は、日本で5年働いた後、2024年の春に退職して帰国しました。きちんと仕事をやり遂げ、税金も毎月の給料から引かれていたので、「お金の問題は何もない」と思っていました。
ところが帰国して数ヶ月後、日本に残った友人を通じて、自分宛ての「住民税の納付書」と、その後「督促状」が届いていることを知りました。金額は十数万円。クアンさんは混乱しました。「もう日本で働いていないのに、なぜ今ごろ請求が来るのか。」
理由は「住民税の仕組み」にありました。住民税は、前の年(1月〜12月)の所得に対してかかり、翌年に「後払い」で納める税金です。つまり、退職・帰国した後も、働いていた年の分の住民税が請求されるのです。クアンさんは、帰国前にこの精算をしていませんでした。
クアンさんは知りませんでした。住民税は「後払い」で、帰国してからも追いかけてくること。そして、帰国前に「納税管理人」を立てるなどの手続きをしておけば、トラブルを防げたことを。
退職・帰国するときの住民税。「後払い」の落とし穴と、やっておくべき手続きを、FAQ形式でまとめました。
住民税は、所得税(給料から毎月天引きされ、その年のうちに精算)とは違い、「前年の所得に対して翌年に払う」後払いの税金です。この仕組みを知らないと、退職・帰国のときに思わぬ請求に驚くことになります。順番に見ていきましょう。
❓ よくある質問
Q.そもそも住民税とは何ですか?所得税と違うのですか?
A.住民税は、住んでいる市区町村と都道府県に納める税金です。所得税(国の税金)が「その年の所得に対してその年に納める」のに対し、住民税は「前年(1月〜12月)の所得に対して、翌年の6月から納める」後払い方式です。課税するのは、その年の1月1日時点で住所がある市区町村です。会社員は通常、給料から毎月天引き(特別徴収)されています。
A.これが「後払い」の落とし穴です。住民税は前年の所得に対する税金なので、例えば2024年に働いて2025年に退職・帰国しても、2024年の所得に対する住民税は2025年に納める義務が残ります。「働いていないのに前年分の請求が来る」のは、このためです。給料からの天引きが止まると、残りは自分で納めることになり、放置すると督促状が届き、延滞金が加算されることもあります。
A.給料からの天引き(特別徴収)ができなくなるので、残りの住民税は次のどちらかになります。①一括徴収:最後の給料や退職金から、残額をまとめて天引き。②普通徴収:自分で納付書を使って払う。退職する時期で扱いが変わり、1月〜5月に退職する場合は、原則として残額が一括徴収されます。6月〜12月に退職する場合は、本人が希望すれば一括徴収、希望しなければ普通徴収に切り替わります。最後の給料の手取りが大きく減ることがあるので、心づもりをしておきましょう。
Q.【重要】帰国するときは、何をすればいいですか?
A.日本を出国するときに住民税の未納分が残る場合、出国前に「納税管理人」を市区町村に届け出る必要があります。納税管理人とは、あなたに代わって納付書を受け取り、納税の手続きをしてくれる人です。日本に住んでいる個人(知人でもよく、親族でなくてOK)や法人(勤務先の会社など)がなれます。会社が協力してくれる場合もあります。届出は、お住まいの市区町村の税務窓口で行います。
Q.納税管理人を立てずに帰国すると、どうなりますか?
A.納税通知書を届ける相手がいなくなるため、市区町村は「公示送達」という方法で手続きを進めます。納期限までに納付されないと督促状が発送され、延滞金が加算されることがあります。クアンさんのように、帰国後に思わぬ請求や督促が追いかけてくることになります。トラブルを防ぐには、帰国前に手続きをしておくことが大切です。なお、出国前に住民税を全額納めてしまえば、納税管理人は不要になる場合もあります(市区町村によって扱いが異なるので、必ず窓口で確認してください)。
A.あります。前年の所得が一定額以下の場合は、住民税が非課税になります(所得割の非課税基準は、扶養家族がいない場合で前年の合計所得45万円以下が目安)。ただし、非課税の基準額は市区町村によって異なります。自分が課税対象かどうか、いくら残っているかは、お住まいの市区町村の税務窓口で確認できます。退職・帰国を考え始めたら、早めに住民税の残額を確認しておくと安心です。
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