📑 在留資格・法律
在留資格の種類と転職時の注意点
「ビザが失効する」は本当か——正確な知識で身を守る
📖 8分で読める📅 2026-04-26
「会社を辞めた瞬間、ビザが失効するって言われた」
中国・上海出身のチェンさん(31歳)が転職を決意したのは、2024年9月のことでした。上司から日常的に怒鳴られ、仕事のミスを大勢の前で晒され、有給申請を出すたびに「なんで外国人が有給取るの」と言われ続けた2年間でした。
転職活動を始めようとしたとき、同僚が怖い顔で言いました。「うちの会社が入管に報告したら、すぐビザ取り消しになるよ。おとなしくしていないと。」
その夜、チェンさんはネットで調べました。すると「技術・人文知識・国際業務ビザは、会社を辞めると在留資格を失う可能性がある」と書いてあるサイトを見つけました。足が震えました。
でも、その情報は不正確でした。
正確には——会社を辞めても、ビザそのものはすぐ失効しません。退職後も在留期限まで日本に滞在できます。ただし「正当な理由なく活動をしない期間が継続して3ヶ月以上」になると、在留資格が取り消される可能性があります。退職後3ヶ月以内に次の職場を決めることが重要です。
チェンさんは転職しました。前の会社からの報告?入管からの連絡は一度も来ませんでした。就労資格証明書を取得し、新しい職場でのビザ更新もスムーズに通りました。
派遣社員として技術・人文知識・国際業務ビザで働いている方は、特に注意してください。2026年4月以降、出入国在留管理庁の新ガイドラインにより、派遣契約期間と在留期間が連動することが明確化されました。派遣契約が「1年」であれば、在留期間の更新も「1年」しか認められないケースが増えています。「契約の切れ目が、ビザの切れ目になる」——これが今の派遣×技人国の現実です。
在留資格と転職の関係を理解しておくことは、日本で安心して働き続けるための基本です。主な3種類の在留資格の特徴と、転職時の注意点を確認しておきましょう。
対象者・職種
ITエンジニア・営業・通訳・デザイナー等(事務・専門系)
製造・介護・建設・農業等14の特定産業分野
技能習得を目的とした実習生(就労が目的ではない)
転職の可否
業務内容が同一職種なら転職自由
同一の特定産業分野内なら転職自由
原則不可。実習先変更はOTIT経由のやむを得ない事情のみ
派遣での就労
可能。ただし2026年4月以降:派遣契約期間=在留期間に連動
不可(特定技能は派遣での就労が認められていない)
不可
退職後の注意点
3ヶ月以内に次の就職先を確保することを強く推奨
転職後は入管への届出が必要。早めに次の職場を確保
特定技能1号に移行すれば転職が可能になる
永住申請への道
正社員実績が評価される
特定技能2号は永住申請への近道
実習期間の評価は低い。特定技能に移行後から積算
💡 知っておくべきこと
技能実習生は「技能実習→技能実習」の実習先変更は原則できません。ただし、ハラスメントや賃金未払いなど「やむを得ない事情」がある場合は、OTIT(外国人技能実習機構)を通じた実習先変更が認められています。技能試験・日本語試験に合格して「特定技能1号」に移行することで、転職の自由度が大きく広がります。
※2027年以降、技能実習の後継制度として「育成就労制度」への移行が予定されており、一定期間後の転職制限が緩和される見込みです。
🎯 あなたのケースは?
技人国ビザで同じ職種に転職したい
→ 就労資格証明書の取得を推奨。同職種なら多くの場合、在留資格変更は不要です。
技人国ビザで派遣社員として働いている
→ 2026年4月以降のルール変更に要注意。直接雇用への切り替えを検討することを強く推奨します。
技能実習から安定した就労・転職を目指している
→ 技能試験・日本語試験に合格して特定技能1号に移行するのが最短ルートです。その後は同一産業分野内での転職が自由になります。
転職に関するビザ相談は、在留資格に詳しい行政書士・弁護士(入管専門)や外国人在留支援センター(FRESC)にご相談ください。