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2027年4月から始まる育成就労制度では、在留期間は原則3年間です。この3年間で特定技能1号への移行要件を満たせないと、スタッフは帰国または在留資格の変更が必要になります。
つまり育成就労は、「3年間かけて特定技能1号を目指す制度」です。企業は入国初日から逆算して育成計画を立てる必要があります。
育成就労から特定技能1号に移行するには、以下の2つの試験合格が必要です。
① 日本語試験 JLPT N4(または国際交流基金日本語基礎テスト JFT-Basic A2相当)に合格すること。 N4は「日常的な話題の会話が理解でき、簡単な文章が読める」レベルです。
② 技能試験 各業種の技能検定試験3級、または特定技能1号評価試験に合格すること。 試験の難易度・実施回数・合格率は業種で大きく開く。後述の業種別の目安を先に確認しておきたい。
| 時期 | 日本語目標 | 技能目標 | 企業がやること |
|---|---|---|---|
| 入国時 | N5相当(入国要件) | ― | 育成就労計画の作成・認定申請 |
| 3ヶ月 | N5合格確認 | 業務の基礎習得 | 教材提供・週1回面談 |
| 6ヶ月 | N4学習開始 | 技能検定基礎級受験 | 試験申込サポート |
| 1年 | N4合格目標 | 技能検定基礎級合格 | 転籍制限期間経過(12分野で転籍可能に。建設等5分野は2年) |
1年目の最大のポイントは「転籍制限期間の経過後に転籍が可能になる」という事実への対応です。転籍制限期間は分野ごとに異なり、12分野が1年・5分野(建設・工業製品製造業・造船・舶用工業・自動車整備・介護)が2年です(2026年1月23日閣議決定)。同一機関での就労期間が制限期間を超え、かつN5合格・技能検定基礎級合格で、本人意向の転籍が認められます。
転籍を防ぐ最善策は「転籍したいと思わせない職場環境」を作ることです。
| 時期 | 日本語目標 | 技能目標 | 企業がやること |
|---|---|---|---|
| 1年目終了後 | N4合格済みが理想 | 技能検定3級の学習開始 | 試験スケジュールの確認 |
| 1年半 | N4合格(最終リミット) | 技能検定3級 受験 | 受験料・交通費サポート |
| 2年 | N3学習開始(2号見据え) | 技能検定3級 合格目標 | 合格証明書の保管 |
2年目は試験合格が最重要ミッションです。特に技能試験は業種によって年数回しか実施されないため、受験機会を逃すと計画全体が数ヶ月ずれます。
企業として整備すべきこと:
| 時期 | 行動 |
|---|---|
| 2年半〜3年目 | 両試験の合格を確認・在留資格変更申請の準備 |
| 在留期限3ヶ月前 | 在留資格変更申請(特定技能1号)の書類準備開始 |
| 在留期限2ヶ月前 | 申請提出(許可まで約2〜3ヶ月かかる) |
| 特定技能1号取得後 | 特定技能2号に向けたキャリアプランの説明 |
特定技能1号の技能測定試験は、業種によって合格率・頻度が大きく異なります。
| 分野 | 合格率の目安 | 試験頻度 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 50〜70% | 年複数回 | N4を超える日本語力で合格率が上がる |
| 介護 | 40〜60% | 年複数回 | 専門用語が多い・N3実質必要 |
| 農業 | 比較的高め | 年複数回 | 書類準備が重要 |
| 建設 | 30〜50% | 年複数回 | 安全管理知識が問われる |
| 宿泊 | 40〜60% | 年複数回 | 接客の現場日本語が合否を分ける |
※合格率はJapanJobSchool/Divership等の業界資料をもとにした目安。試験回・実施形式によって変動する
よくある失敗パターンは「日本語試験は合格したが、技能試験の日本語が読めない」というケースです。
特定技能の試験問題は、業務に関する専門用語が多く含まれます。N4の一般的な語彙力だけでは不十分で、「現場で使われる日本語」への慣れが必要です。
有効な対策:
2027年以降に育成就労を利用する企業は、以下を「育成就労計画」に記載して認定を受ける必要があります。
この計画を作成する過程で、自然と「3年間のロードマップ」が整備されることになります。逆に言えば、ロードマップなしに育成就労計画の認定申請はできません。
育成就労から特定技能1号への移行は、3年間という限られた期間の中で2つの試験を合格させる必要があります。特に日本語教育は「入国後に始めれば間に合う」ではなく、入国前から送出国での学習が始まっていることが重要です。
採用面接の段階で「この人は3年後に特定技能1号へ移行できるか」を見極める。ここで選考・育成計画を引けるかどうかが、3年間の歩留まりを決める。