STAGE 2 | 手続き管理

在留資格更新と会社の義務——更新漏れゼロを実現するスケジュール管理

公開 2026年6月

在留資格の更新を忘れると、外国人スタッフは「不法残留」状態になり、企業側も「不法就労助長罪」に問われます。更新手続きは在留期限の3ヶ月前から開始できます。「漏れない仕組み」を構築するための実務を、カウントダウン形式で解説します。

01 | 更新申請のカウントダウン——いつ何をするか

在留資格の更新許可申請は、在留期限の3ヶ月前から受け付けられます。しかし必要書類の準備を考えると、6ヶ月前からのスケジュール管理が必要です。

📅 在留資格更新カウントダウン
6ヶ月前
更新対象者リストの確認
半年以内に在留期限を迎える外国人スタッフ全員を一覧化。在留カードの期限を確認し、担当者を割り当てる。
4ヶ月前
必要書類の準備開始
本人の書類(パスポート・在留カード・写真)と企業側の書類(登記事項証明書・決算書・雇用契約書)を揃え始める。
3ヶ月前
在留資格更新許可申請書を作成・提出
入管への申請開始。オンライン申請も活用可能(2024年3月〜対応拡大)。受理証明を取得。
1〜2ヶ月前
審査結果の確認・追加資料対応
入管からの追加資料要求があれば迅速に対応。審査期間は在留資格の種類により2週間〜3ヶ月。
許可通知後
新しい在留カードの受領
許可通知のハガキを持参し入管で受領。手数料5,500円(収入印紙)。在留カードのコピーを社内で保管。
更新後14日以内
届出・社内記録の更新
ハローワークへの届出(外国人雇用状況届出)。社内の在留管理台帳を更新。次回更新の日程を設定。

02 | 在留資格別・更新時の必要書類

書類 特定技能1号 技人国 永住者
在留資格更新許可申請書
必須
様式(特定技能用) 様式(就労用) 不要(更新なし)
パスポート・在留カード
必須
原本提示 原本提示
写真(4×3cm)
必須
1枚(3ヶ月以内撮影) 1枚
雇用契約書の写し
必須
特定技能雇用契約書 雇用契約書
会社の登記事項証明書
必須
発行3ヶ月以内 発行3ヶ月以内
直近の決算書(損益計算書等)
企業提出
直近1期分 直近1期分
住民税の課税・納税証明書
必須
直近1年分 直近1年分
支援計画の実施状況報告
特定技能のみ
四半期ごとの報告書 不要

03 | 更新が不許可になる5つのパターン

更新申請が不許可になると、外国人スタッフには出国準備のための「特定活動」が指定されます。指定期間が30日の場合は再申請の余地が乏しく出国必須、31日の場合は不許可理由を改善できれば再申請が可能です。以下のパターンを事前に回避してください。

不許可パターン 具体的な状況 防止策
給与未払い・遅延 給与の支払いが遅れていた記録がある。残業代の未払いが発覚 毎月の給与支払いを確実に実行。給与明細を本人に交付
社会保険の未加入 健康保険・厚生年金に加入させていなかった 入社時に必ず加入手続き。保険料の天引き記録を保管
届出の未提出 四半期報告(特定技能)や雇用条件変更の届出を怠っていた 届出カレンダーを作成し、期限管理を徹底
活動内容の相違 許可された業務と実際の業務が異なる(例:製造で許可→清掃業務に従事) 配置転換前に在留資格の活動範囲を必ず確認
本人の法令違反 交通違反の累積、税金の滞納、資格外活動(副業) 定期面談で生活状況を確認。税金納付の支援

04 | 「更新漏れゼロ」を実現する管理体制

📋 在留管理の社内体制チェックリスト
  • 在留管理台帳を作成し、全外国人スタッフの在留期限・資格種類・担当者を一元管理
  • Googleカレンダー等に「6ヶ月前・3ヶ月前・1ヶ月前」のリマインダーを設定
  • 在留カードのコピーを社内で保管(表面・裏面。番号の記録)
  • 更新手続きの担当者を明確化(人事部 or 総務部。バックアップ担当も設定)
  • 行政書士との顧問契約を検討(年間契約で更新手続きを一括委託)
  • 新入社員オリエンテーションで在留管理の基本を全社員に周知
コストの目安:行政書士に更新手続きを委託する場合の報酬は、1件あたり5〜10万円程度が相場です。年間で複数名の更新がある企業は、顧問契約(月額3〜5万円)の方がコスト効率が良い場合があります。「更新漏れのリスク」と比較すれば、十分に回収できる投資です。

この記事のポイント

在留資格の更新は「期限が来たら対応する」のではなく、6ヶ月前からの計画的な管理が必要です。更新漏れは企業にとっても外国人スタッフにとっても最悪の事態を招きます。

  • 更新手続きは在留期限の3ヶ月前から可能——書類準備を含めると6ヶ月前から開始
  • 不許可の主な原因は給与未払い・社会保険未加入・届出漏れ——すべて事前に防止可能
  • 在留管理台帳+リマインダーで「更新漏れゼロ」の仕組みを構築する
  • 行政書士への委託は「保険」と考える——更新漏れのリスクと比較すれば安い投資

本記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています。更新手続きの詳細は出入国在留管理庁の公式サイトまたは行政書士にご確認ください。

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