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外国人スタッフに「わかった?」と聞くと、たいてい「はい」と返ってきます。しかし数日後、まったく違うやり方で仕事をしている──こんな経験はありませんか。
これは外国人スタッフが嘘をついているわけではありません。
東南アジア(ベトナム、インドネシア、フィリピン等)の文化圏では、目上の人から「わかったか」と聞かれたとき、「わからない」と答えることは失礼にあたる場合があります。日本人が海外で「Do you understand?」と聞かれて「Yes」と答えてしまうのと同じ心理です。
理解度が60〜70%でも「はい」と答えてしまう。これが現場の実態です。
「はい」の信頼性が低い状況で最も問題になるのは、重要度の高い情報が「なんとなくわかった」状態で処理されることです。
厚生労働省「令和5年 外国人労働者の労働災害発生状況」(2023年)によると、外国人労働者の労働災害発生率(千人率)は2.77と、全労働者平均の2.36を大きく上回っています。技能実習の在留資格では4.10と全労働者の約1.7倍。言語理解の不十分さが、事故に直結していることが数字に表れています。
安全ルール・機械の操作・緊急時の対応。これらを「口頭で説明して、はいと答えてもらった」だけでは不十分です。
NG: 「わかりましたか?」 OK: 「この機械を止めるときは、どのボタンを押しますか?」
理解しているなら答えられます。理解していなければ答えられません。
口頭での「わかった」確認ではなく、実際に手を動かしてもらいます。手順通りにできれば理解している証拠です。特に危険を伴う作業は必ずこの方法を使ってください。
「完全にわかった 🟢」「だいたいわかった 🟡」「あまりわからなかった 🔴」の3択カードを作り、口頭確認の代わりにカードを上げてもらいます。声に出して「わからない」と言えなくても、カードなら示せます。
説明した内容を、本人の言葉で言い直してもらいます。「今の説明を、あなたの言葉で言ってみてください」と伝えます。復唱の中で間違いがあれば、その場で修正できます。母国語での復唱でも構いません——通訳や同国籍のスタッフに「今の説明を○○さんに自分の言葉で説明してもらってください」と依頼する方法も効果的です。
外国人スタッフが「わからない」と言えない背景には、いくつかの理由があります。
これは日本人の若手社員でも同じです。外国人だから特別に起きることではありません。ただ、言語の壁があることで、その傾向が強まるという点が違います。
「わからない」と言える安心感を作ることが、長期的な解決策です。その具体的な方法はSTAGE 4の記事で解説します。
| 従来のやり方 | 改善後のやり方 |
|---|---|
| 「わかりましたか?」と口頭確認 | 「やって見せてください」と実演確認 |
| 説明して終わり | 説明→実演→復唱→フィードバックの4ステップ |
| 重要事項も都度口頭で伝える | 重要事項はマニュアルに書いて手元に残す |
次のステップ:重要事項を口頭に頼らず伝えるマニュアル設計は、STAGE 2「入社時必須情報の設計」をご覧ください。
> ⚠️ 本記事の情報は2026年2月時点のものです。最新の状況については各省庁の公式発表をご確認ください。