単独型vs監理型育成就労の違い〜どちらが自社に向いているか

公開 2026年6月
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単独型vs監理型育成就労の違い〜どちらが自社に向いているか

「育成就労制度で外国人を受入れたいけれど、単独型と監理型って何が違うの?」「うちの会社はどっちで受入れればいいのか?」——育成就労制度には2つの受入れ方式があり、企業の状況に応じてどちらを選ぶかが変わります。現行の技能実習では受入れ企業の約97〜98%が団体監理型を選んでいます。育成就労でもこの2類型が残るなかで、単独型と監理型の仕組み・要件・コスト・手間を並べ、自社の判断材料を整理します。

育成就労の2つの受入れ方式〜単独型と監理型

育成就労法第2条では、育成就労の実施形態として「単独型育成就労」と「監理型育成就労」の2つが定義されています。

  • 単独型育成就労:本邦の公私の機関が、外国人育成就労機構、監理支援機関その他の機関の監理支援を受けないで行う育成就労
  • 監理型育成就労:監理支援機関の監理支援を受けて行う育成就労

技能実習制度でも「企業単独型」と「団体監理型」の区分がありましたが、育成就労制度でもこの2類型の枠組みが維持されています。現行の技能実習制度では、受入れ企業の約97〜98%が団体監理型を利用しているとされており、育成就労制度でも監理型が大多数を占める見通しです。

単独型 vs 監理型育成就労の構造比較

では、この2つの方式は具体的にどう違うのか。それぞれの仕組みと要件を順に見ます。

単独型育成就労の仕組みと要件

単独型育成就労とは、受入れ企業が監理支援機関等の監理支援を受けずに、自社の責任で直接外国人を受入れる方式です。

利用できる企業の要件

単独型を利用するには、育成就労法第8条および育成就労法施行規則に基づき、以下のような要件を満たす必要があります。

  • 海外の事業所・関連企業からの受入れ:海外に支店、子会社、関連会社等の拠点を有し、そこからの人材を受入れるケース
  • その他の国際的な事業活動に関連する受入れ:合弁企業や提携先との関係に基づく受入れなど

つまり、単独型は「海外に自社の関連拠点があること」が前提となっており、国際的な事業展開をしている企業でなければ利用が難しい方式です。

> 技能実習制度との違い: 技能実習制度では取引先企業の社員も企業単独型で受け入れ可能でしたが、育成就労制度では取引先企業の社員の単独型受入れは認められず、監理型での受入れとなります(出入国在留管理庁 育成就労Q&A Q22)。

企業が負う責任範囲

監理支援機関を介さないため、育成就労計画の作成・認定申請、外国人の募集・選考、入国手続き、育成就労の実施管理、各種届出、生活支援のすべてを自社で行う必要があります。外国人の保護に関する義務についても、企業が直接的に責任を負うことになります。

監理型育成就労の仕組みと要件

監理型育成就労とは、法第23条に基づく許可を受けた監理支援機関の監理支援のもとで、外国人を受入れる方式です。

監理支援機関の役割

監理支援機関は、受入れ企業と外国人の間に立ち、以下のような役割を果たします。

  • 送出機関との連絡調整・外国人の募集・選考支援
  • 育成就労計画の作成支援
  • 入国後の講習・研修の実施
  • 受入れ企業への巡回指導・監査
  • 外国人からの相談対応
  • 転籍に関する支援

大多数の企業が選択する方式

監理型は、海外拠点を持たない企業でも利用でき、外国人雇用に関する専門的なノウハウを持つ監理支援機関のサポートを受けられるため、大多数の受入れ企業が選択する方式です。特に、初めて外国人を受入れる企業にとっては、法令遵守や手続き面でのサポートが受けられることが大きなメリットとなります。

比較表〜コスト・手間・リスクの観点で整理

単独型と監理型のメリット・デメリットを比較表にまとめました。

比較項目単独型監理型
利用要件海外拠点(支店・子会社等)が必要特段の海外拠点は不要
監理支援機関への委託費不要必要(月額管理費等)
人材の採用ルート自社の海外拠点経由監理支援機関を通じて送出機関から
育成就労計画の作成自社で作成監理支援機関の支援を受けて作成
入国手続き・在留管理自社で対応監理支援機関がサポート
巡回指導・監査自社で法令遵守を管理監理支援機関が定期的に実施
外国人の相談対応自社で体制構築監理支援機関が対応窓口を設置
事務負担大きい(すべて自社対応)相対的に小さい(分担できる)
法令遵守リスク自社の管理体制に依存監理支援機関のチェック機能あり
人材の質自社の基準で直接選考可能送出機関の選考を経由
柔軟性自社事情に合わせやすい監理支援機関のスケジュールに影響される場合も
トータルコスト委託費は不要だが社内体制整備のコストが発生委託費が発生するが社内負担は軽減

ポイント: 単独型は監理支援機関への委託費がかからない反面、すべての手続き・管理を自社で行うため、社内に専門人材や管理体制を整える必要があります。一方、監理型は委託費がかかるものの、専門家のサポートが入る分、法令遵守や事務負担の面で社内の手が空きます。

自社に合った方式を選ぶための判断基準

「うちはどちらを選べばいいのか」——その答えは、企業の状況によって異なります。以下のポイントを参考に、自社に適した方式を検討してみてください。

単独型が向いている可能性がある企業

  • 海外に支店・子会社・関連会社を有しており、そこからの人材受入れを想定している
  • 社内に外国人雇用の管理経験が豊富な専門人材がいる
  • 入管手続き・労務管理を自社で対応できる体制がある
  • 外国人の募集・選考を自社の基準で直接行いたい

監理型が向いている可能性がある企業

  • 海外に自社の拠点や取引先を持っていない
  • 外国人雇用が初めて、または経験が浅い
  • 入管手続き・育成就労計画の作成などを専門家に任せたい
  • 法令遵守のチェック機能を外部から確保したい
  • 外国人の相談対応や生活支援を監理支援機関と分担したい

判断に迷ったら

海外拠点も外国人雇用の管理経験もない中小企業なら、監理型が現実的な選択肢になります。ただし、これはどちらが「正解」ということではなく、企業の規模・海外とのつながり・社内の管理体制の成熟度に応じて最適な方式は異なります。

迷ったら、海外拠点の有無・社内の入管手続き対応力・初回受入れかどうかの3点を棚卸しし、監理支援機関に自社の状況を当てて方式を詰めてください。また、現在技能実習生を受入れている企業で、監理団体(今後の監理支援機関)を通じて受入れている場合は、引き続き監理型での受入れが基本になると考えられます。


※本記事は2026年2月時点の公開情報に基づいて作成しています。育成就労法の施行(2027年4月1日)に向けた政省令等の整備状況により、単独型・監理型の要件や手続きの詳細が変更される場合があります。最新の正確な情報は、出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。

次のステップ

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