育成就労の受入れ人数枠はいくつ?優良認定で最大3倍になる条件と地域制限の落とし穴

公開 2026年6月 ・ 更新 2026年8月
目次

育成就労の受入れ人数枠はいくつ?優良認定で最大3倍になる条件と地域制限の落とし穴

はじめに

「うちは何人まで受け入れられるの?」——育成就労制度を検討している企業・監理支援機関から最も多く寄せられる質問だ。

受入れ人数枠は企業の常勤職員数をベースに決まりますが、「優良認定」と「指定区域」という2つの条件によって大きく変わります。特に大都市圏の企業は最大枠が使えないという点は、制度設計上の重要な落とし穴です。本記事では公式資料をもとに正確な情報をお伝えします。


受入れ人数枠の3段階構造

育成就労の受入れ人数枠は、常勤職員数に対する比率で決まります。段階は以下の3つです。

受入れ人数枠の3段階構造

第1段階:基本枠(常勤職員数の15%)

標準的な企業・監理支援機関が使える枠です。例えば常勤職員が20人であれば、同時に受け入れられる育成就労外国人は最大3人となります。

なお、技能実習制度にあった1号・2号・3号の区分は廃止されました。1年目から3年目までの育成就労外国人の合計が人数枠の対象となります。

第2段階:優良実施者枠(常勤職員数の30%)

企業(育成就労実施者)が「優良」認定を受けている場合に適用されます。基本枠の2倍です。

第3段階:連動優良枠(常勤職員数の45%)

企業と監理支援機関の両方が「優良」認定を受けており、かつ**「指定区域」内に所在する**場合のみ適用されます。基本枠の3倍です。


最大枠を使えない企業がある——「指定区域」の制限

ここが最も重要なポイントです。

「指定区域」とは、育成就労外国人が大都市圏に過度に集中しないよう、地方への配慮として告示で定められた地域のことです。

指定区域(地方側)に含まれない8都府県 東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県(ただしこれら8都府県の一部地域は指定区域に含まれます)

つまり、これら8都府県の大部分にある企業は、企業と監理支援機関の両方が優良であっても第3段階(45%)は原則として適用されません。 上限は第2段階の30%となります。

外国人材の地方定着を促すための仕組みで、都市部への人材集中を構造的に抑える。


「優良認定」とは何か

優良認定はスコアリング方式(点数制)で評価されます。具体的な採点基準は、令和8年8月版の運用要領(4-117頁〜)で公示されました。受入れ実績に応じて4つに分かれ、①実績なし/初回受入れから1年未満は総得点56点の7割(40点)以上、②1年以上2年未満は72点の7割(51点)以上、③2年以上3年未満は85点の7割(60点)以上、④3年以上は100点の7割(70点)以上が必要です。加えて、法令違反・問題の発生状況(Ⅳ)を除く各項目でそれぞれ6割以上を取る必要があります。

評価項目の概要は出入国在留管理庁の公式Q&Aで以下のように示されています。

育成就労実施者(企業)側の評価項目

  • 監理型育成就労の実施状況の監査および業務を行う体制・実施状況
  • 育成就労における技能および日本語能力の修得に係る実績(特定技能への移行率・試験合格率など)
  • 出入国・労働関係法令への違反状況
  • 育成就労外国人の行方不明者の発生状況
  • 育成就労外国人からの相談体制・保護および支援の実施状況
  • 育成就労外国人と地域社会との共生に向けた取り組み状況

監理支援機関側の評価項目

  • 3か月に1回以上の実地監査の適正な実施
  • 外部監査人の適切な配置
  • 監理している育成就労外国人の技能・日本語能力の修得実績
  • 監理費の項目・金額の適正な明示
  • 送出機関との不適切な金銭授受がないこと

**具体的な採点基準は公示後に改めてお知らせします。**J-GLOW公式サイトのメールマガジンに登録いただくと、基準公示時に優先的にご案内できます。


人数枠の計算で注意すること

常勤職員数のカウントについて

  • 育成就労外国人・技能実習生の数は常勤職員数に含みません
  • 特定技能など他の在留資格の外国人は含みます

経過措置について 施行後も技能実習を継続している1号・2号技能実習生の数は、育成就労外国人の数として人数枠の計算に含めます。

転籍者などの枠外扱い やむを得ない事情により転籍した者、3年を超えて育成就労を延長している者などは、受入れ人数枠の規制に含めません。


制度開始に向けて、確認しておきたいこと

監理団体(育成就労施行後は「監理支援機関」に移行)の方へ 自機関の優良認定取得の可能性と、加盟企業が指定区域内にあるかどうかを今のうちに棚卸ししておきたい。地方に加盟企業を多く持つ機関ほど、第3段階の45%枠を活用できる余地が大きい。

既存受入れ企業の方へ 現在の常勤職員数をもとに、基本枠・優良枠それぞれの上限人数を試算する。これで受入れ計画の上限が一目で分かる。採点基準は既に公示されているので、自社が何点取れそうかを先に見積もっておくと計画が立てやすくなります。配点は「技能及び日本語能力の修得に係る実績」が最大50点で最も重く、過去3育成就労事業年度の試験合格率が問われます。実績は遡って作れないため、指導記録・試験合格実績・相談窓口の整備は今から進めておくことをお勧めします。

新規検討企業の方へ 出発点は、自社の所在地が指定区域に含まれるかどうかの確認だ。ここで第3段階を使えるかどうかが先に決まってしまう。都市部の企業でも第2段階(30%)は活用できます。


本記事は出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(Q34・Q35)および「育成就労制度の関係省令等について」をもとに作成しています。優良な育成就労実施者の採点基準は令和8年8月版の運用要領で公示されたため、その内容を反映しています。なお、第3段階の「連動優良枠」に必要な監理支援機関側の優良認定については、基準がまだ公示されておらず、運用要領には施行直後の申請受付は行わない旨が明記されています。施行後しばらくは連動優良枠を前提にした計画は立てにくい点にご注意ください。

次のステップ

求人を無料で掲載するか、育成就労の準備状況をチェックリストで確認しましょう。

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