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2026年2月、出入国在留管理庁と厚生労働省が「育成就労制度 運用要領」の全文を公開しました。全443,083文字・452ページにわたるこの要領は、2027年4月の制度開始に向けて、監理支援機関・受入れ企業が実務レベルで準備を進めるための根拠となるものです。
この記事では、施行日前申請の逆算スケジュール、送出費用の上限、毎年の実施状況報告、監理支援機関の中立性要件など、運用要領の条文を引きながら実務担当者が最初に動くべき論点を順に追う。
見落としがちですが、運用要領の第4章に重要な記載があります。
施行日(令和9年4月1日)の前から育成就労計画の認定申請(施行日前申請)を受け付けます。原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに申請を行ってください。(第4章)
つまり2027年4月に受け入れを開始したい場合、2026年9月〜11月が申請の目安です。
認定申請には監理支援機関の許可取得が前提となるため、監理団体(育成就労施行後は「監理支援機関」に移行) は今すぐ許可申請の準備を始める必要があります。逆算すると時間的余裕はほとんどありません。
育成就労外国人が送出機関に支払う費用の上限について、運用要領は以下のように規定しています。
育成就労計画に記載された報酬の月額に二を乗じて得た額を超えないこととする。(規則第21条)
上限を超える費用を外国人本人に負担させることはできません。超過分は受入れ側が負担する必要があります。
さらに重要なのが費用の範囲です。送出手数料・職業紹介費、医療費・保険費・健康診断費用、技能・資格検定費、職業訓練・研修・日本語講習費、旅費・宿泊費、渡航費、旅券・査証申請費用、一般管理費など、名目を問わず一切の費用が対象です。
さらに「送出機関と実質的に一体となって活動する機関への支払い」も同様に規制対象とされており、迂回した費用徴収も認められません。
農業など季節的業務のある分野では、特定の条件のもとで派遣元と派遣先が共同で育成就労計画を作成・申請する形態が認められました。(第4章第15節)
派遣先は1者または複数とすることができます。ただし、具体的な上限数については分野別の運用方針(告示)で詳細が定められる予定です。全ての派遣先で同一の業務区分内の技能を習得させることが条件である点は変わりません。
この形態を活用できるかどうかは分野別運用方針で決まるため、農業・水産業など季節業務を抱える分野の関係者は分野別運用方針の公表を注視してください。
育成就労実施者は、毎年1回、4月1日から5月31日までに、直近の育成就労事業年度に係る実施状況報告を機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません。(法第21条)
これは毎年の恒常的な義務です。社内の年間スケジュールに今から組み込んでおく必要があります。
育成就労日誌(参考様式第4-3号)・報酬支払証明書(参考様式第4-1号)・育成就労計画の履行状況に係る管理簿(参考様式第4-2号)などの日常記録の整備は、受入れ開始と同時に求められる義務です。
第4章第12節「優良な育成就労実施者に関するもの」については、運用要領に「準備ができ次第掲載」と明記されており、基準がまだ示されていません。
基準が公表されてから記録を遡って揃えるのは難しい。日頃の指導記録・実績は、今から蓄積しておく。
育成就労実施者には、外国人が定められた日本語能力の目標(A2相当など)を達成できるよう、以下の支援措置を講じる義務があります。
優良認定の評価基準にも関わるとみられる項目であり、日本語講習・費用負担・自学環境の3点は早期に体制化しておく。
監理支援機関の許可基準として「中立的な事業運営ができる体制が確保されていること」が明示されています。(第5章第2節第6-(2))
外部監査人の選任(参考様式第2-5号)も必須要件であり、監査体制を持たない団体は許可が下りない可能性があります。
監理団体(育成就労施行後は「監理支援機関」に移行)の方へ 育成就労計画の認定手数料の支払いは、従来の収入印紙方式から機構の指定口座への銀行振込に変更されます。従来の実習制度での事務経験がある担当者への周知をお忘れなく。 外部監査人の確保、常勤役職員数の確認、財産的基礎の確認は、許可申請の前提条件である。後ろから埋めると間に合わないため早めに着手する。受付は2026年4月15日に始まっており、準備に充てられる時間は限られる。
既存受入れ企業の方へ 毎年4〜5月の実施状況報告と日常的な帳簿整備を社内ルールとして整えておくことをお勧めします。転籍申し出への対応フローも、制度開始前に確認しておくと現場の混乱を防ぎやすくなります。
新規検討企業の方へ まずは監理支援機関への相談から始める。許可申請中の団体も多く、制度開始前は選べる監理支援機関の数が限られる可能性がある。相談先は早めに当たっておきたい。
出典:育成就労制度 運用要領(2026年2月 出入国在留管理庁・厚生労働省) https://www.moj.go.jp/isa/content/001460272.pdf