読み込み中...
読み込み中...
育成就労制度は2027年4月1日(令和9年4月1日)に施行されます。「結局、うちは何をいつまでにやればいいのか」という声が、監理支援機関にも受入れ企業にも共通して寄せられています。本記事では、制度施行から外国人材の受入れ開始に至るまでの手続きの流れを、5つのステップに分けて時系列で整理しました。監理支援機関の担当者が企業への説明に活用できるよう、また受入れ企業の経営者・実務担当者が全体感をつかめるよう、具体的な手順とポイントをまとめています。
育成就労制度のもとで外国人材を受入れるまでには、大きく以下の5つのステップを踏むことになります。
【全体フロー】
技能実習制度での受入れ経験がある企業であれば、流れ自体は大きく変わりません。ただし、育成就労制度では「育成就労計画の認定」が新たな手続きとして加わるほか、監理支援機関の許可基準の厳格化など、いくつかの重要な変更点があります。
上記はあくまで目安であり、分野や送出国の状況、申請の混雑状況によって前後する可能性があります。全体として、準備開始から就労開始まで半年〜1年程度を見込んでおくのが現実的です。
受入れを検討する企業がまず取り組むべきは、自社が育成就労の受入れ要件を満たしているかの確認です。
育成就労法第9条(認定の基準)では、育成就労計画の認定にあたって受入れ企業(育成就労実施者)が満たすべき基準が定められています。以下に該当する場合は受入れができない可能性があります。
技能実習制度で受入れ実績のある企業は、過去の改善命令や指導の有無を改めて確認しておく。欠格事由は認定の入口でつまずく最大の要因になる。
育成就労制度においても、企業の常勤職員数に応じた受入れ人数枠が設けられます。技能実習制度と同様の考え方で、常勤職員数に対する比率で上限が設定されます。自社の常勤職員数を正確に把握し、何名まで受入れが可能かを確認しておく必要があります。
育成就労外国人の報酬は、日本人が従事する場合と同等額以上であることが求められます。これは法第9条の認定基準にも含まれる要件です。既存の賃金テーブルを確認し、同等の業務に従事する日本人従業員との均衡が取れているかを点検する。
育成就労制度では、受入れ企業は原則として監理支援機関を通じて外国人材を受入れることになります(企業単独型を除く)。
監理支援機関は、法第23条に基づく許可を受けた機関であり、営利を目的としない法人であることが求められます(法第25条第1項第1号)。主に以下の役割を担うとされています。
従来の監理団体から移行する機関については、許可基準がより厳格化されており、外部監査の導入なども定められています。
監理支援機関を選定する際には、以下の観点を確認する。費用の安さだけで選ぶと、巡回や相談対応の手薄さが後で響く。
監理支援機関との間で監理支援契約を締結します。契約内容には、監理費用、巡回指導の頻度、相談対応の範囲などが含まれます。費用体系は機関によって異なるため、複数の機関から見積もりを取得して比較する。
育成就労制度では、二国間取決め(MOC)を締結した国の政府が認定した送出機関を通じて人材を受入れる仕組みとなっています。送出国の選定にあたっては、以下の要素を考慮することが考えられます。
送出機関が候補者を募集・選抜した後、受入れ企業による面接・選考が行われます。近年はオンライン面接も広く活用されていますが、現地渡航による面接を行う場合もあります。
選考では、技能適性に加え、日本語能力(入国時にA1相当以上、すなわちJLPT N5相当以上が求められます)や、就労意欲・適応力なども確認することが重要です。
法第8条に基づき、受入れ企業は外国人ごとに「育成就労計画」を作成し、認定を受ける必要があります。計画には以下のような事項を記載することが求められます。
育成就労計画は、外国人育成就労機構(現・外国人技能実習機構から改組)に提出し、認定審査を受けます。審査では、法第9条に定められた認定基準への適合性が確認されます。
審査にかかる期間は、申請件数や審査体制によって変動が見込まれます。施行当初は申請が集中する可能性もあるため、余裕を持ったスケジュールを組む。
育成就労計画の認定を受けた後、出入国在留管理庁に対して在留資格「育成就労」の在留資格認定証明書(COE)の交付申請を行います(出入国管理及び難民認定法 別表第一の二)。
交付された認定証明書を送出国の外国人本人に送付し、本人が在外日本公館でビザ(査証)を申請する流れになります。
外国人が入国した後、就労開始前に入国後講習を実施することが求められます。講習内容としては以下が含まれます。
講習期間中は就労させることができない点に注意が必要です。
入国後講習の修了後、雇用契約に基づく就労が開始されます。就労開始にあたっては、以下の届出・手続きが求められます。
就労開始後も、受入れ企業には以下のような義務が課されます。
特に、技能実習制度から育成就労制度への移行にあたっては、転籍が認められることへの対応が新たに加わります。外国人材の定着を図るには、適正な労働条件の維持と良好な職場環境の整備が、これまで以上に問われる。育成した人材が転籍で流出するか残るかは、ここで決まる。
※本記事は2026年2月時点の公開情報に基づいて作成しています。育成就労法は2027年4月1日に施行されます。具体的な手続きや要件の詳細は、2026年に公表された運用要領等で順次具体化されています。最新情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。