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「育成就労で外国人を受け入れたいが、いくらかかるのか」——初期費用とランニングコストの内訳、そして1人あたり3年間で約1,098万円という総コストの試算根拠を、項目ごとに分解する。
育成就労制度で外国人を受け入れる際の費用は、大きく初期費用(受入れ開始までにかかる費用)とランニングコスト(受入れ期間中に毎月かかる費用)の2つに分かれます。
技能実習制度と比較した場合、コスト構造にはいくつかの変化があります。
以下、費用項目を一つずつ見ていく。なお、記載する金額はあくまで一般的な目安で、分野・地域・監理支援機関によって大きく振れる。
受入れ開始までに発生する主な費用項目を整理します。
海外の送出機関に支払う費用です。育成就労制度では規則第21条に基づき送出費用の上限が定められており、上限を超える分は企業側が負担します。目安として15万〜40万円程度ですが、送出国や送出機関によって差があります。
外国人の来日にかかる航空券代等です。片道の航空券を企業が負担するケースが一般的で、5万〜15万円程度が目安です(出発国により変動します)。
入国前の日本語教育や生活講習の費用です。3万〜10万円程度が目安です。
認定申請や在留資格認定証明書の交付申請にかかる費用です。行政書士への委託費用を含め5万〜15万円程度が目安です。
外国人の住居を企業が確保する場合、敷金・礼金・家具家電等の初期費用が発生します。10万〜30万円程度が目安です。
初期費用の合計目安:1人あたり約40万〜120万円程度
法第9条の認定基準に基づき、育成就労外国人に対して日本人と同等以上の報酬を支払うことが求められています。月額の総支給額で18万〜25万円程度(地域や分野による)が一つの目安です。
日本人と同様に社会保険への加入が義務づけられており、企業負担分として報酬月額の約15〜16%程度、月額で3万〜4万円程度が目安です。
技能実習制度での監理費を参考にすると、月額2万5,000円〜5万円程度が相場とされています。
日本語教室への通学費用やオンライン学習ツールの利用料、教材費、各種試験受験料などで月額5,000円〜2万円程度が目安です。
ランニングコストの合計目安:1人あたり月額約25万〜35万円程度(報酬を含む)
育成就労制度の大きな特徴の一つが、送出費用の上限規制です。
規則第21条において、送出機関が外国人本人から受け取ることができる手数料の上限は、育成就労計画に記載された報酬の月額に2を乗じて得た額と定められています。例えば、月額報酬が20万円の場合、外国人本人からの徴収上限は40万円です。
この上限を超える費用が発生する場合、超過分は受入れ側(企業側)が負担することになります。これは従来の技能実習制度にはなかった費用負担であり、企業の初期コストを押し上げる要因となります。
なお、法第46条から第48条では、保証金の徴収や違約金の定めなど、外国人に対する不当な費用徴収が明確に禁止されています。送出費用の負担のあり方は、法令の趣旨を踏まえて適正に対応する必要があります。
標準的なケースを想定した3年間のコスト試算モデルを示します。あくまで概算です。
【前提条件】 受入れ分野:製造業/1名/月額報酬20万円/地方都市
| 区分 | 金額(目安) |
|---|---|
| 初期費用(送出手数料・渡航費・住居確保等) | 約78万円 |
| ランニングコスト(約28万円 x 36か月) | 約1,015万円 |
| 検定試験受験料等(3年間) | 約5万円 |
| 3年間 総コスト | 約1,098万円 |
上記の試算はあくまで目安です。実際に予算を組むときは、監理支援機関から個別の見積もりを取る。
法第46条から第48条では、育成就労外国人に対する保証金の徴収や違約金の定めが禁止されています。「途中で辞めたら違約金を支払え」といった取り決めは違法です。コスト管理はあくまで法令の範囲内で行う必要があります。
※本記事は2026年2月時点の公開情報に基づいて作成しています。育成就労制度は2027年4月1日(令和9年4月1日)の施行に向けて政省令等の整備が進められています。最新の情報は出入国在留管理庁の公式発表をご確認ください。